結論は二台持ち・靴が必要だし、ルームシューズだってほしい。

外出用のペルモビールF3と、室内用のウィルC。
こうして写真を撮ってみると、僕も贅沢だなとは思う。でもね、外をまともに歩ける靴は必要なんですよ。

室内は室内で、F3では後輪キャスターで建具やら何やらを破壊してしまうから、オムニホイールのウィルは必要。話は逆になってしまうけど、いくら高級ホテルのスリッパが部屋で気持ちいいからといって、それでアスファルトやバイパスを歩いたら足がとんでもないことになる。

イスと思うからいけないのかもしれない。形状的にもイスであることは確かに間違いないのだが、用途的には靴の方が近いのではないか? それで、またややこしいことに日本にはまだきちんとした靴文化が根付いていない。そういうことも複雑に絡み合っている。いい靴というのは材料としても構造としても製造工程にしてもとても手間暇がかかるため、当然値は張る。しかしそれを日本では「贅沢」ということは多い。いまだに草履・下駄文化なのだ。
外では草履、部屋では裸足だ。

また恨みがましいことを書くようで大変気がひけるのだが、以前総合病院の大きな待合室で会計か何かを待っていたとき、突然年配男性の割と大きな声で「ん? あれは楽したい人が乗るものだ」と答えているのが聞こえた。なんだ、と見ると孫らしき男の子とその祖父らしき老人である。

きっと自分の声が大きいことをご存じないのだ。見回したわけではないが僕以外に「楽ができる」ものに乗った人間はいないようだ。

ため息が出る。贅沢をしたり楽したりというのは確かに日本文化の美徳からは反したものだろう。でも歩けない足で外を安全に移動するということが果たして贅沢だろうか? 贅沢なわけないだろう。コロナでたかだか三年程度外出がままならないくらいで多くの人が参っていたではないか。

話は先に戻るが、外履きと室内履きを兼用させることはほぼ無理である。仕事仲間のドイツ整形靴マイスターに聞けば、まず間違いなくいやいやと何度も首を横に振って「無理だ」というだろう。ばかだと思われるので僕は聞かないが。用途が違う。

しっかりとした健康な足でも靴を間違えれば足を痛める。それくらい地面、特に都市計画整備された人工的な路面を安全に移動するようには人間の体はできていない。話はどこへ行ってしまうんだと思われる方もいるかもしれないけど、草履のような車いすでは外は危険だし、逆に家の中では全地形対応車のようなハードなやつには乗れないということ。

それに、贅沢じゃないよ、といいたいのだ。

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