ペルモビールF3導入・仕様


よく見ているとブーメラン型の組み合わせでデザイン構成されていることのわかるF3/F5。こだわりのデザインはちょっと70年代を思わせ、かつ未来的だ。カラー部分は塗装ではなくムクのプラ部品。ということは簡単に他のカラーへ換装できそう。今回カナリアという黄色を選んだ。塗装と違って擦っても剥げるわけではないため合理的でうれしい。電動車いすとして間違いなくエポックメイキングなデザインである。


シートの仕様は電動昇降、電動ティルト、電動リクライニング、電動足台エレベーティング。あと他につけられるのは電動前傾ティルト、足首のフットプレートの角度変更と高さを電動で調節できるものである。

写真だと膨張して見えるが、実物はかなりコンパクト。C350よりもひと回り小さく感じるほどだ。ペルモビールというと価格の高い超高級電動車いす、またはF5VSのスタンディング機能(シートに座ったまま立つことができる)ばかりがフューチャーされがちであるが、この基本モデルであるF3の性能の良さはどこでもあまり書かれていない。

YouTubeで電動車いすを検索すると、出るわ出るわ形を変えたWHILLのプロモーション。宣伝部のパワーがすごいなあといつも思っているのだが、どれもこれも評論にはなっていない。かっこよくてすごい車いすというのをそのまま鵜呑みにすると、ちょっとアンマッチも出てくると思う。対してペルモビールは情報が少なすぎて、そういうところは不器用だなあとこれもいつも感じる。


車体だけで180Kgあるせいか、めりめりと進む感のあるF3(しかし無音)。C350が1,600CCの乗用車なら、F3はロールスロイスくらいの印象がある。ロールスロイスは結婚式の時に少しだけ乗った。モーターの静粛性と精密性からくるスムースな快感、それに重量とサスペンションの調律が合わさり、外にいながら静けさを感じるのである。ロールスロイスのそれと印象がまったく同じだ。

ヘッドレストはもう枕かと思うほど大きいが、実際そうするためにLサイズを選んだ。電動シートを調節してフラットにしてみたがこれならいざという時に全然眠れるだろう。いざというのは災害時や夫婦喧嘩をして家出した時のことである。

シート表皮は革でなくファブリックにした。これは滑り防止のため。今回はシルキーな布が使われている。C350のメッシュタイプが好きなのだが、このF3のシルキーなものも悪くない。


これもオプションのライトキット。ライトを点けるとテールランプも点灯する。が、車のようにブレーキランプは点かない。暗い夜道を走る可能性があるならライトキットは必須だ。危険な路面の凹凸を避ける、車に自分の存在を知らせる。


コントローラーのR-netがF3は標準装備。それに白いトグルスイッチを追加。コントローラーの高さは標準だとこのジョイスティックには高すぎてトグルスイッチも手に当たるので一番低い位置に付け替えをした。

トグルスイッチはシート調整が手元で簡単にできる。これがないとR-netの複雑な操作を経てシートの調整することになる。R-netはいろいろできることは確かなのだが、直感とスピードでは劣る。それにちょっと大きいかな。

操作系の話がもう少し続くが、純正のスマートフォンホルダーがデザイン的に好みではないため、カー用品のものを買ってR-netへ粘着テープで取り付けた。これだと位置もR-netと近くなるので余分な視線の動きも減る。

ジョイスティックレバーは10年くらい前に自分で図面を引いて木工屋さんに作ってもらった。これだと手のひらで操作しても安定するし、エッジ部分を指に当てて操作すると、指からくる情報量も増えて直感性が高まる。ただの球形だと細かな操作には不向きである。WHILLがマウス型のレバーを採用してきて、あながち間違ってなかったんだなと思う。

手元のトグルスイッチにはひとつひとつLEDがついていて、緑色が通常、イエローになるとリミッターが効きスピードがよろよろ運転になる。各種シート角度を適性まで戻すとLEDが緑となり、通常のスピードが出ることになる。


とにかく調整が効くことのわかる背面。
つけて重宝しているのは上部のフック。買い物をしたらレジで荷物をここにかけてもらう。ヘッドレストのアームは、こうやって極力出っぱらないようにしておかないと、狭いレストランでウエイトレスがひっきりなしにそこへぶつかっていく。忙しいのは人として同情するが、せっかく美味しいものを食べにきたというのに通るたび衝撃があると、味がまったくわからなくなる。尊厳もなにもない。

後輪のフォーク接続部分が銀色に見えるだろうか。実はここに樹脂のキャップがついていて、まだ5回も乗っていないというのに外れてどこかへ紛失した。これはC350もまったく同じだった。ひとつは玄関前に落ちていて、拾ってみたら固定する爪が折れていた。総じてペルモビールの樹脂部品は弱いようである。雨が入るのは嫌なのでディーラーに相談しようと思っている。C350のときはペルモビールさんが接着剤かなんかで固定してくれた。

最後に。使う人はいないと思うけどスティックレバーのウッド部分設計図。写真で根元の銀色の部分はアルミ製、当時のディーラーさんが用意してくれたもの。

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