車いすは業者のカタログから選ばなくていい・ショップライダー


細部はちょっと違う気もするが、これは僕が初めて乗った電動車いすで、アメリカ設計の台湾製だったか「ショップライダー」というもの。日本ではセリオさんで販売をしていた(画像が小さくて申し訳ない)。

初めて補装具支給の判定が下りると、車いす業者さんが役所等の別室で控えていてそこへ行くことになるが、カタログに載っているのはごくごく普通の、病院玄関に置いてあるような折りたたみ車いすに電動ユニットをつけたタイプのものである。

ところがこの折りたたみの車いすというのが実に苦手で、その理由はたくさんあるのだけれど、一番はあのフットレストだ。


僕の場合、右のひざがちゃんと曲がってくれないため、こんなふうにフットレストに足がまず乗らない。それに車いす自体のサイズもなんとなく小ぶりである。試しに今あなたが何らかのちょっと低めのイスに座っているなら、足を前に出して力を抜いてみてほしい。かかとがだらしなく床に着いてしまうだろう。それが車いすに乗った僕の状態である。

たまにやむを得ずこういうタイプの車いすに乗る時があるけれど、左足は無理やり誰かにフットレストへ載せてもらい、右足は乗っている間ずっとズボンの裾をつかんで宙を浮かせていることになる。そんな人生は嫌だ。

しかも車体が軽いので乗り降りする際はこのフットレストをたたむ必要がある(たたまずにここへ乗ってしまうと車体が倒れる)のだが、僕の場合手が届かない。そして写真を見ても分かる通り、樹脂製でフレームへの接続も剛性が恐ろしく低いため、水平垂直もない。思い出しただけでつらくなってきたので思わず全部書きそうになるが、僕がいいたいのはつまり、その業者さんから勧められた車いすを選ぶ必要はべつにないということ。

ただし自治体によって指定業者という決まりはあって、そこを通さないと支給はされない。でもひとまず世の中にはどういう車いすがあって自分にはどれが合っているのか、そちらが先である。ひと呼吸置こう。わがままを言っていいのである。

僕の場合はもともとがイスマニアでガジェットが好きということもあったので、もうちょっとまともなイスはないのかと探していた。最初はイマセンの電動車いすがカラフルだしいいかなと思ったのだが、フットレストがやはりこのタイプなんです。

当時としては電動車いす界においてかなり端っこにいた外国製のショップライダー。よく見つけたなと思うのだが、その車のシートのようなイス形状が気に入った。そしてよく見ると、フットレストがどうやら金属製のようでしかも一体パーツになっており、これはかなり剛性もありそうだということになった。

販売店に連絡してみると幸いにも指定業者であるということで、デモ機を出してもらって試乗をし、無事このショップライダーを手に入れたというわけだ。

この車いすでは本当にどこへでも行った。なつかしい。散歩でふた山くらい越えたところで車に乗ってきた知り合いに会い、かなり驚かれたことがある。割と早い段階でバッテリーをオプティマのディープサイクルバッテリーに換えて航続距離を強化した。

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